岳

オペラ座の怪人の岳のネタバレレビュー・内容・結末

オペラ座の怪人(2004年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

幼稚園の頃から何度も観てきた思い入れのある映画、改めて再鑑賞。

なによりもまず音楽が素晴らしい……ノスタルジーで沁みてくる部分をさっ引いても間違いなく鳥肌ものです。

それに劇場のセットや登場人物たちの美しさたるや。2004年の映画でもあるし100年以上前のパリが舞台ということで、ポリコレって何?と言わんばかりの"the 美"が清々しい。みんなファントムの顔をディスりまくってるけど、一度マスクを被ればもうパーフェクトすぎだろ。あんなにカッコいい陰キャもといストーカーはいません。

音楽、ビジュアルとフィジカル面は満点をつけたい一方、内容はツッコミどころがなきにしもあらずんばあらず。特にクリスティーヌの言動には「?」とさせられることが多々あったが、役者さんも当時17歳とのことで、「若さゆえのあれ」ということにしておきます。
そしてなんといってもファントム、可哀想すぎ。マダム・タッソーレベルの人形を作ってたり、マジックミラー越しに監視してたり、かなりストーカーとしては行くところまで行っていて怖いんだけど、「悪魔の子」として生まれてしまった宿命を受け入れ、オペラ座に匿われる中で天賦の才に花開かせ、音楽に全てを捧げてきた彼の人生が全くもって肯定されず、あまりに報われない。彼の欠点や苦悩を理解し、受け止めようとする姿勢が少しでも"ミス・ダーエ"にあればな……

心が惹かれ合う2人と、才能が、本能が惹かれ合う2人の切ない三角関係の物語。
岳