仁義の牙を剥け
これはグレイトなリドリー・スコット作品。どこか『ブレードランナー』色が強い一面があり、懐かしきリドスコの技量を垣間見えた瞬間でした。キャスト陣も豪華で、マイケル・ダグラスと高倉健の渋くてカッコいい男性像が素晴らしい。アンディ・ガルシアの若くてパワーある演技と、松田優作のコミカルでヤバいヤクザ感も最高。多少無理あるストーリーではあるものの、キャストの演技力で成功した作品。
驚くことに、そのまでなんちゃって日本では無いという事実。鑑賞前までは本作でのヤクザの扱い方に対して不安視していましたが、正直『仁義なき戦い』を思い出させてくれるほどの熱量で感動しました。正統であり、リスペクト。ハリウッド映画で日本を描く時はこうあるべき。
とにかくハイスピードで駆け巡るストーリーとアクションの良さ。サングラスをかけて日本刀を持ちながらバイクに乗る。いかにも外国人が好みそうな設定を、面白いほどそのまんまで出してくる。日本人から見てもあれはカッコいい!クライマックスでのバイクアクションも必見。
バディ×任侠の組み合わせも悪くない。良い映画はとことん良いのがリドスコ作品。振れ幅が大きいのが彼の魅力です。
本作が松田優作の遺作だったのですね。初めて彼の演技を観たのですが、圧倒的存在感を放つ姿は観る者を虜にすること間違いなし。病を患いながら本作の撮影を乗り切った彼は素晴らしい役者さんです。
2024.8.19 初鑑賞