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ルパン三世 THE FIRSTのcorsbyのネタバレレビュー・内容・結末

ルパン三世 THE FIRST(2019年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

3Dのルパン、面白い!

アニメから、『リアルだけどアニメ』への進化。自然現象(特に風)や、それに伴う服などの動きはとてもリアル。一方、現実には起こり得ない動きや現象はまさにアニメの世界。そのバランスがうまく世界観を崩さずに保たれていた。ルパンの表情の豊かさ、次元の渋い表情と、目が見えたときのギャップ(今回髭が珍しいかたちで生えていたり、オールバックであったりしたのも、あまりないルックスで面白かった)、五ヱ門の端正な顔立ち、不二子のセクシーさ、どれもこれまでのアニメから根幹は引き継いでいながらも、違った良さがあった。ルパンだけでなく、キャラクター全員の表情の機微が感じ取れたのも3Dならでは。大人数が揃う場面では、全員を見るには目が足りない、と感じるほど。また、そのような作画面での技量はもちろんのこと、キャラクターそれぞれに魅力や愛着があるからこそ、大画面にアップで出てきても苦にならない。

ストーリーは毎年のテレビスペシャルと同程度。最近銭形と協力する作品が多いように感じるのは気のせいか… 3D“一作目”であり、“THE FIRST”なので仕方がないが、一味の中でも次元、五ヱ門の活躍はかなり少なめ。それぞれの長所を生かすために作られたと思われる試練のシーンも、次元は何がきっかけで気がついたのか説明があまりなく、五ヱ門にいたっては斬鉄剣が本命のような扱い(その後に若干の救済はあるが)。しかし、最後の関門のシーンは文句なしにカッコいい。ルパン、カッコいい! の一言に尽きる。
血縁というテーマも、難しいが、今の時代とはマッチしていないような気がした。
ランベールのどっちつかずな言動も共感しがたい。彼にも承認欲求や加護意識といった複雑な感情、環境があるのは分かるが、死にかけての揺れ動きがあまりに急すぎて付いていけない。

レティシアの声の演技について、聞いていると慣れてくるのは慣れてくるが、少し残念。文書を解読するときの「はっはーん、お次はアッカド語ですか」がもう、残念すぎて頭にこびりついて離れません。
ランベール、ゲラルトは良かった。

モンキーパンチ先生が夢見た冒険の広がりに、これからも期待。
中間点+αで2.7点
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