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クライシスのとぽとぽのレビュー・感想・評価

クライシス(2021年製作の映画)
3.0
アメリカは"危機"に瀕している!

例えば『トラフィック』のようにドラッグにまつわる群像劇。もっとスリリングであったり、もっとムービングになり得た気もするが、それ以上に今なお見過ごされているシリアスな問題に対して真摯に挑み、描こうとする気概みたいなものを感じなくもない…。こうやって傍から見れば何故こんなことがまかり通るのか不思議でならないし、決して許してはならない。
新薬の危険性に気付いてしまった教授ブラウアー博士、潜入捜査する連邦捜査官、そして息子の死の真相を調べる内に復讐に燃える母親。出演は、同業者からの尊敬や支持の厚いアクターズアクターなゲイリー・オールドマンや、カニバリズム発言で業界を干されたアーミー・ハマーなど。また、ミシェル・ロドリゲス姐さんはすっかり上司役が似合うような年齢キャリアと貫禄。
大企業は自身の利益を守ることに躍起になって重要なことには目を瞑る。都合の悪いをひた隠す隠蔽体質な企み。残念ながらいつだって変わらない人間のクソ醜さと、それを告発することのリスク。経営が傾いていることを口実にして、長いものには巻かれろ精神な大学。不正に大学の経営と自分の終身雇用・生涯の働き口がかかっている?賛成の方。巨大企業に楯突く危険性より、事実から目を背ける危険性。

勝手に関連作『トラフィック』『インサイダー』『ベンイズバック』『フィクサー』『ダーク・ウォーターズ』『クロッシング』
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