依緒

劇場の依緒のレビュー・感想・評価

劇場(2020年製作の映画)
4.7
泣いた。

主人公の永田は太宰治の作品に出てくる男のよう。さすが又吉さん。
芸術家肌でヒモ男なのに女が尽くしてしまう。
どんなにわがままを言っても辛く当たっても、女が去らないことを知っている。

主人公の心情のナレーションが正直すぎて心にチクチク刺さる。
誰もが感じたことのある、思い当たるけど気付かないふりをしたいことを主人公が代弁してくれているかのようだった。
繊細で傷つきやすいから逃げてしまう。
安全な場所に。
でもいつかは弱くてずるい自分も認めて一歩踏み出さなくては。


切なくリアルな男女の物語。
依緒

依緒