この作品を観た翌日に読んだ、又吉さんの『東京百景』って本で知ったんですけど、これって又吉さんの実体験がベースになってるんですね。
それで思い返すと、主人公がとことんクズに描かれてるのも、当時の彼女に対しての懺悔の気持ちもあるのかなって思いました。
ほんとに不器用な人なんですね。そこが魅力なんだけど。
ちなみにベースになってるのは『東京百景』の中の『池尻大橋の小さな部屋』っていうエピソード。
わずか9Pだけど、この映画を観た後だとかなりグッときますね。
最後はこんな数行で締めくくられます。
"寒い夜、キミの家に合鍵で入り、無防備に眠る頼りない表情のキミを無理やり起こし、「のど渇いてるやろ？水やで」と言って買って来たコーラを渡すと、キミは目を閉じたまま両手で抱え込むようにコーラを持って飲む。「ああっ」と小さく叫び、自分の喉を両手で掻きむしる。そして、二人で笑い続けた。あれが僕の東京のハイライト。"
