地球外生命体

FUNAN フナンの地球外生命体のレビュー・感想・評価

FUNAN フナン(2018年製作の映画)
3.5
ポル・ポト率いるクメール・ルージュに支配された1975年以降のカンボジアを舞台に、息子と離れ離れになってしまった母親の激動の日々を描いた長編アニメーション。世界最大のアニメーション映画祭である第42回アヌシー国際アニメーション映画祭で、長編コンペティション部門の最高賞であるクリスタル賞を受賞した。

1975年4月のカンボジア。武装組織クメール・ルージュによるプノンペン制圧のニュースを境に、多くの住民が強制労働のため農村に送られる。一家で農村へ移動する道中、チョウは息子のソヴァンと離れ離れになってしまう。農村での苛酷な労働や理不尽な扱いは、彼女と夫クン、そして共に生活する家族を追い詰めていくが、最愛の息子を取り戻すためチョウは何があってもあきらめずに生き延びていく。

主人公チョウの声を『アーティスト』『ある過去の行方』のべレニス・ベジョ、チョウを支える夫クンを『グッバイ・ゴダール!』『パリの恋人たち』のルイ・ガレルが担当。監督はフランス生まれでカンボジアにルーツを持ち、自身の母親の体験をもとに本作を描いた新鋭ドゥニ・ドー。

タイトルの『フナン』は1世紀から7世紀にかけ、現在のカンボジアやベトナム南部周辺にあった古代国家『扶南(フナン)』から。

★2018年アヌシー国際アニメーション映画祭
作品賞
★2018年エミール賞
サウンドデザイン賞
脚本賞
地球外生命体

地球外生命体