たな会No02

死霊魂のたな会No02のレビュー・感想・評価

死霊魂(2018年製作の映画)
5.0
山形国際ドキュメンタリー映画祭にて。中国共産党による反右派闘争の犠牲になり、再教育収容所に送られた右派の生き残りからの8時間15分ものプリミティブな話の積み重ねに圧倒されます。ラストの10分ほどの長回しはほんと胸をえぐられますね。収容所で死んだ人たちのほとんどが餓死という過酷な状況や、なぜ収容所に送られたのかをさまざまな人たちから話を伺うのですが、もう悲惨かつ断片的、一人に割く時間の長さもあいまってなかなか大変な体験でした。しかし、事件の当事者が死んでしまった人たちに対してできることはその事件について語ることなのでしょう。自由に語ること。被害者だけでなく収容所側の人にも話を聞いてました。そうすることでしか死んだ人の声は聞こえないんでしょう。耳をすまして傾聴すること。またそれをできるだけ生のまま伝えることでしょう。このコンセプトが8時間15分という長さに繋がるんでしょうね。テンション高い教師のおっさんと、最後の女性の話が胸をうちます。それにしても映画観る体力がつきました。