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ウォーデン 消えた死刑囚の福福吉吉のレビュー・感想・評価

ウォーデン 消えた死刑囚(2019年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
イランのある刑務所の取り壊しのため、刑務所長のヤヘド少佐は囚人たちの移送を進めていたが、1人の死刑囚がいないことが発覚する。ヤヘド少佐は刑務所内を血眼になって捜索するが...。

◆感想◆
行方をくらました死刑囚を捜索する刑務所長の苦悩の連続を描いた作品であり、将来の行方を賭けた刑務所長の心情の変化が良く伝わってくる作品です。

本作は主役が刑務所長であり、ひたすら居なくなった死刑囚の捜索が続く展開ですが、途中で社会福祉士の女性や死刑囚の妻子など死刑囚を助けるべく所長へ口を挟んできて、ストーリーがただ単純にならずに変化を持たせていて良かったと思います。

刑務所長のヤヘド少佐は職務に従順であるものの、美人の社会福祉士に好意を見せるなど、人間味のある部分もあって心情の出やすいキャラクターになっていました。

本作では行方をくらました死刑囚が無実であることを匂わせる描写が含まれていますが、その死刑囚が映像として姿を現さず、また処罰を下された事件の詳細が断片的にしか分からないので、あくまでフレイバーテキストに過ぎず、そのため、社会福祉士や死刑囚の妻子の行動が非常に胡散臭く感じました。

本作はあくまで刑務所長の長い一日という作品としてなかなか面白かったと思いますが、そこに囚人の死刑の是非を乗せるのは無理があり、妙に感動させようとしているみたいであざとく感じました。

鑑賞日:2024年1月14日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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