若大将オーウェン

Mank/マンクの若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
4.0
フィンチャー、文芸映画作りましたという感じの映画でした(もちろんそれだけではありませんが)

脚本家ハーマン・J・マンキウィッツの伝記映画であり、「市民ケーン」制作の裏側が描かれる

だが驚いたのは思いの外、政治劇が中心に描かれ(もちろんそれも市民ケーンに関係してる)大統領選が行われた2020年にNetflixが送った作品(「エノーラホームズ」「シカゴ7裁判」)に連なる作品になっていたこと

撮影や照明、回想していく形式など「市民ケーン」オマージュはもちろんあるので、「市民ケーン」を見てた方が良いが、それよりも何よりも当時のハリウッドの状況や背景こそ予習必須

「市民ケーン」がアカデミー脚本賞しか取れなかったのも、この映画だけ見るとよく出来た話に思える(実際は色々あった。町山さんの映画塾参照)

2021/02/14文芸坐再見
当時の脚本家は今で言う放送作家のようなもので、脚本を書くという役割ではなかった。それはハーストにとってのマンクの状況も似ていて、喋りが面白いから(宮廷における道化の役割)そばに残していただけ。
信念を曲げフェイクニュース映画を作ったことで、自殺してしまった友人。一方マンクはMGMに飼われた状態で何も残してない人生。いや俺は信念に基づき、名を残してやると書いたのが「市民ケーン」の脚本という熱い話だった
でももっとエモーショナルに出来そうなところをクールにするのがフィンチャー