ブラックユーモアホフマン

Mank/マンクのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

Mank/マンク(2020年製作の映画)
3.8
難しかった。
テネットよりよっぽど頭使う。

シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷/有楽町での上映がそれぞれに良くないという噂をツイッターで目にしたので一応避けて、立川シネマシティまでわざわざ行きました。何の問題もなかったです。お客さんめっちゃ少なかったけど。

『市民ケーン』も観たことあるし、アメリカ映画史の知識もそこそこあるつもりだったけど、一回では理解できなかった。

『ソーシャル・ネットワーク』ですら付いていけないということはなかったのに、今回は全く付いていけなかった。

家でNetflixで、吹替版が制作されていれば吹替版で、もう一度観よう。

「マインドハンター」を観ても思ったけど、フィンチャー(特に近年の、なのか?それとも、以前の作品も今見返すとそうなのか分からないけど)はカット割りすぎてるのが好きになれない。

カット割りが細かすぎる。目まぐるしすぎる。そんなに割る必要ある?好みじゃない。

画や音の質感だけは昔の映画風だけど、演出やカメラワークや編集は完全に現代のもの。回想と現在を行ったり来たりする構成も『市民ケーン』を踏襲しているのだろうけど、あまり上手いとは思えなかった……。

ゲイリー・オールドマンは素晴らしい役者だし、多分マンクも魅力的なキャラクターだったと思うけど、イマイチ輝かせきれていない演出だったように感じた。

ブライアン・クランストンが演じたダルトン・トランボを思い出した。映画全体はコーエン兄弟の『ヘイル,シーザー!』を思い出したり。ちょっと時代が違うけど。

素晴らしかったのはリリー・コリンズ。あの役がなぜ必要だったのかはよく分かってないけど、この映画の画と音の質感に合ってた。つまり、40年代の映画に出てても違和感がないルックス。素敵。

まあフィンチャーの映画は見返すと更に面白く感じたりするから、あくまで現段階の感想です。

【一番好きなシーン】
「吐いてくる」