富裕層が娯楽目的で一般市民を狩る"マナーゲート計画"を背景に広大な森の中で突如目を覚ました12人の男女の顛末が描かれる。まず"人間狩り"の設定的に『パージ(2015年)』を彷彿とさせるが、全編はほぼ血みどろの過激アクションに振り切っており、劇的でちがう一面を魅せる。冒頭のヒールのくだりが実は一番ゴア描写が強烈か。また序盤あたりは、"主人公不在映画"として視点軸がバトンを繋ぐよううつろってゆく構成も、ハラハラ要素が持続し観る側の心理を逆手に取るような真新しい感覚である。とくに終盤の真相の部分で両サイドに分断された闘争がメイン軸となるが、ジャンル的には鈍重なシーンへ降下してしまっていた気がした。女最強映画としてはフェミニズム寄りな側面も感じる。というよう豚やウサギたち動物が主人公と云わんばかりの、武器多様の定番のシューティングスリラー映画であろう。
