すずや

ソー:ラブ&サンダーのすずやのレビュー・感想・評価

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
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なるほど確かにこれはワイティティの映画だし、今マーベルでこれをやるとしたらワイティティにしか撮れない話だなと思った。
もちろん画面の派手さや一人一人の登場人物のシーケンスに見せ場、監督直々のモノローグ(?)でのふざけ具合を見ると、ああやっぱこういう画こそワイティティだよね、なんて思ってしまうんだけど、でも、この映画の軸として全体を貫く「愛」というテーマこそにワイティティのらしさがあったのかな、と思う。彼が色んな作品で描いてきた「愛」は、無限の愛情とその裏にある喪失を同時に存在させることでどこか儚く切なく、繊細で脆いものとして描かれる印象があるけれど、それこそがこの映画の主題だし、マーベルのフェーズ4としてもらしさにもなっているのかなと。
そして何よりやっぱりワイティティの映画だ…!って思ってしまうことが、クィアな生を当たり前に描くこと。もうほんっっとうに「当たり前」感を出すのが超うまい。異性愛者も同性愛者も、ジェンダーやモノガミーの枠組みにとらわれないあり方も、全部ひっくるめて「愛」なんだ、って思える祝福のようなところもある。まあだいぶ責められない線を探した感は否めないけど、いわゆるとってつけたような「同性愛者を出してますよ」感でレプレゼンテーションを放棄するディズニーにはさんざん辟易させられてきたから、やっぱついていきたいですねワイティティ…
ところで、もうそろそろエンドクレジットで風呂敷を拡げるのは勘弁してくれませんかね…エンドクレジットってそういうんじゃないでしょ…
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