このレビューはネタバレを含みます
マイティ・ソーシリーズ4作目。
面白いか面白くないかでいうと、これはもう面白い。奇才タイカ・ワイティティによりこれでもかとギャグが詰め込まれ、アガる展開にド派手なアクション。ゲラゲラ笑いながら見られる。
だが、本作の目玉であるナタリー・ポートマン演じるレディ・ソーの存在に、どうにも破綻があるというか……
そもそもジェーンは、昔ソーがムジョルニアに「こいつを守ってやってくれ」的なことを言ったからジェーンを選んだ(んだよね?)のだが、一般人にそんなにほいほい持ち上げられては、じゃあアベンジャーズエンドゲームのキャプテンによる感動のシーンはなんだったのかとなる。本作のあらゆる部分に言えることだが、コメディに振りすぎて徹底的に軽い。
加えて、武器に生かされている敵役ゴアと、武器に生命を吸われているジェーンは対比的に描かれているっちゃあいるが、結局同じ穴の狢感が否めない。ラストシーン、神の命を受けて子どもたちが戦うシーンも、勝つんだからいいでしょ的な安直な考えが透けてしまうがあんまりやらないほうがよかったのでは。
価値観の古い老害としてのゼウスと、とにかくうるさいヤギを楽しむ映画。てことで。