Bobsan

ハロウィン THE ENDのBobsanのレビュー・感想・評価

ハロウィン THE END(2022年製作の映画)
4.0
「私にとってモンスターはモンスターであってモンスターでなく、何かの象徴であり、もっと深い意味を持つものの影です。人間の内側に潜むモンスターをスクリーンに映し出しているのです。私は映画監督として、人間の心の暗い部分、陰の部分に触れなければならないのです」とはカーペンターの弁ですが、今作はまさにこれに則した内容になっていましたね。マイケル・マイヤーズそのものの恐怖を描くより、それに翻弄される人々、それに感化→同調→支配される人を通して、人間の内側に潜むモンスターを描く事が試みられました。しかし、それをあまりにも視覚的に描き過ぎた為、観客を戸惑わせる結果になった事は否めませんが、間違ってはいないと思います。
肉体を持ちながら超自然的な存在でもあるマイケル・マイヤーズ(ブギーマン)を意識的に描く事はとても難しく、それが出来ていたのは第一作目(78)だけです(この時もカーペンターがどこまで意識的にやっていたのかはわかりませんが)。
今回マイケルの肉体は滅びましたが、人々の記憶にマイケルは生き続け、人間から悪意が無くなる事はありません。
ブギーマンはまた別の名前、姿で蘇るのかもしれませんね。
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