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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーの裾のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

画が綺麗でキャストが最高で音楽も良くて衣装もカッコイイ。それでもストーリーだけは二転三転、割とずっととっちらかってる。それ以外の要素が全部スタイリッシュだから、なんだか物語もそう見えてしまうだけで。

フェーズ4に遺されたヒーローたち、喪ってもなお粛々と、自分に与えられた仕事をやっていくという人が多くて、それが切なくも頼もしくあったのだけれど、この作品だけはずっと、失くした影を追い続けるままに混迷する人間たちを描いてくれていた。きっとそれは主人公のシュリがあくまでヒーローを支える「人間」で「少女」で「家族」だったからだし、そんな世界観を超えて、われわれが一様に大きすぎる喪失を共有してしまったからなのだろうと思った。

ティ・チャラは気高すぎた、まさしくその通りで、いつまでも追いつけないまま、先に逝ってしまったね。それでももがき苦しみながら答えを探すシュリはとても綺麗だったし、見ているこちらが辛くなるくらい逞しくなっていた。ピーター・パーカーくんといい、そうせざるを得ないまま強くなった子供たちを見届けることしかできないのが歯痒い。

アバンタイトルもラストの焚き火シーンもポストクレジットもエンドロールも全部泣かされたけど、いちばん泣けたのは「シュリは誰から?」「うーん……兄かな」です。たとえ肉体が滅びても、その人の魂が時代の中で生き続けるというのは、きっとそういうことだと思うので。シュリに側近でも部下でも護衛でもない、歳の近いお友達ができたのも嬉しかった。アイアンハート楽しみだ〜。




まあそういうの抜きにしてもワカンダの女性陣ほんま好きすぎるし結婚して欲しいしマイケル・B・ジョーダン様世界一かっこいいし、え、エヴェレット・ロスちゃま(バツイチ)……?
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