みやび

夕陽のあとのみやびのレビュー・感想・評価

夕陽のあと(2019年製作の映画)
3.0
見ていて辛かった。豊和を殺そうとしたわけじゃない。茜も茜で誰にも助けを求められず辛かったのだ。せめて豊和だけでも(助かって)と思って、自分だけ死のうとしたのではないだろうか?
そんな血を分けた子どもを、いくらなんでも里親に託すという選択はどれほど辛かっただろう。
お母さんは一人じゃない、と島の人たちは言うけれど、でも子供にとってのお母さんはたった一人の特別な存在で、世界で1人だけなのだ。

私は茜の方に感情移入してしまったので、五月から豊和が渡らなかったのには納得がいかず物語の最後まで見るのがつらくなってしまった。
五月だって豊和を愛している。それは間違いない。「豊和がいない生活は考えられない」と言ったけど、それは茜も一緒なのではないか?

事実を伝えられないままこの先生きていくことはどれだけ辛いことだろう。こんなに重くてつらいテーマの作品は久しぶりに見た。
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