よきかな

夕陽のあとのよきかなのレビュー・感想・評価

夕陽のあと(2019年製作の映画)
3.5
貫地谷しほりの自分を抑えた演技と、山田真歩の自分の感情をたたきつける対象的な演技。
それは幼い子どもを捨てようとした自分、愛されてこなかった自分に自信が持てない実母であり、
かたや、7年育て上げた事実が血によって簡単に奪われるのではないかという不安からくる怒り。そして彼女は夫や母、島の仲間に守られている。

貫地谷しほりさんが好きなので、どうしても偏った見方になってしまうと、
やはり彼女に真の味方が現れないのが気になってしまう。

一度の失敗で、二度と子どもとくらすことはゆるされないのか。
彼女を母と思って育ってきた子どもの気持ちはどうなるのか。
揺れる。

正解はない。
今までもいくつかの作品で語られてきた問題であるが、正解はないと私は思う。

子どもを捨てなくては生きていけない状況のとき、誰にも、救いとなる場所、救いの出会いがあってほしい。
よきかな

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