コンドー

海辺の映画館―キネマの玉手箱のコンドーのレビュー・感想・評価

4.0
三時間ぶっ通しでスクリーンに食らいついたけど、まとまった言葉にならない。じっくりと噛み砕きながら観たというより、大林監督の脳みその中身をびしょびしょに浴び続けた感覚。

遺作として後世に伝えたい想いが滾っていた。「この映画はエンディングがなく、中断されます」的な字幕が入ったように、まだまだ伝えたいことがあるのでしょう。命尽きるまで表現し続けようとする、尋常じゃないエネルギーの持ち主なのでしょう。

白虎隊、娘子隊、花街、沖縄、桜隊などなど、歴史の教科書には載らない歴史を紡いだ、大林監督による戦争と平和の教科書。戦争で自由を奪われた人々への追悼と、自由に生きられる現在を守り抜かなくてはならないというメッセージを受け取った。