マルケス

ハリエットのマルケスのレビュー・感想・評価

ハリエット(2019年製作の映画)
3.0
1850年代に“モーゼ”と呼ばれ、多くの黒人奴隷の逃亡を手助けした女性、ハリエット・タブマン。

残されたハリエットの写真から意志の強さが窺えるが、最晩年の一枚には圧倒された。写真に写ると魂が抜かれるという迷信を思い出すくらい、魂が宿っているような威厳と凄み。

作品は伝記映画として無難に纏まってはいる…のだが、ハリエットの行動やギデオンとの関係など描写が浅く、物足りなく思えてしまう。2時間を費やしても、一枚の写真が語る真実には敵わないのだ。

『それでも夜は明ける』を観た後に黒人霊歌を検索して聴いていたが、「Hold on」の歌詞は知らなかった。
「耐えろ 鋤を握りしめてひたすら働け」
こんなフレーズがあったんだ。ハリエットは神の声が聞こえるほど信心深いが、従属を強いるために宗教まで利用する奴隷主が醜い。

シンシア・エリヴォの歌が素晴らしかった。「Stand Up」エンディングにふさわしい名曲。
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