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ジェイ&サイレント・ボブ リブートを阻止せよ!/ジェイ&サイレント・ボブ オタクたちの帰還のとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.5
これは心臓発作で死にかけたケヴィン・スミスによる彼自身のキャリアを総括するMCUだ!
『クラークス』から『コンビニ・ウォーズ』まで時代は巡り、同じ物語はまた形を変え品を変えては語り直される。まるで親から子へと命が巡るように…謂わばエンドゲーム?

ウェインとガース、ビルとテッドに続く愛すべきおバカキャラ2人組によるロードムービーは、ドンドン新作が作れなくなっているハリウッドや映画界全体の流れブームから、彼が愛してやまないアメコミなど多岐にわたるサブカル出典・言及で隅々までケヴィン・"クソ"スミス(✕ジェームズではありません)・ワールド全開ユニバース!! 自らの立ち位置にも自覚的な何も変わっていないコレコレ祭に、したいこと全部してる感!そしてもちろん時の流れによる人生という舞台の幕/リブートに対する考え方にも変化が…
今までの自作から文字通り死にかけての食生活の変化(めちゃくちゃ痩せた!)までケヴィン・スミス自虐ネタに、彼の交友関係の広さを物語る豪華カメオ出演まで見ていて楽しい。自作も容赦なくコケ・出汁にするのは、昨今で言えばデップー以降の(『フリーガイ』含む)ライアン・レイノルズあたりも思い出すメタ的姿勢マインド。例えば『ドグマ』にも出演している盟友マット・デイモンは『ボーン・アイデンティティー』から『マイティ・ソー/バトルロイヤル RAGNAROK』のロキ役劇中劇カメオまで。
なので、いつもながら、彼自身も一ファンとして楽しんでいそうな90年代以降のアメリカ・サブカルチャーの源流とも言える"過大評価されている"アイコニックな人物。アメリカ文化本流へのラブレターと少しの警鐘。黒歴史も白に変わるくらい、失敗も笑いに変えればいい!もはやファンサービスか自己満・趣味か分からないくらいだけど、始終微笑ましい時間だったし、なにより彼が生きていてくれてよかった。物事は一周回った、さぁ次のステージへ。向かうはハリウッド。フロリダの?カリフォルニア!

☺←サイレントボブのつもり

P.S.『HOW HIGH ビー・バッド・ボーイズ』見たくなりました。
勝手に関連作『ビルとテッドの時空旅行/音楽で世界を救え!』『ウェインズ・ワールド』
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