マシューボーンの振り付けは、大胆で意外性に富み、斬新だ。
男性ダンサーの鍛え上げられた肉体美、衣装で覆うのが、勿体ないくらいに肩甲骨から肋骨のラインが美しかった。
アームスが柔らかくてしなやかで、白鳥を見てるようだった。
クラシックバージョンの2幕に相当するビッグスワンと四羽の白鳥パートが、この舞台ではモダンでダイナミックにアレンジされて、目を凝らして観た。
フォーメーションチェンジが素早くて、
複雑で速い展開の振り付けを大勢のダンサーで揃えるのは、大変だったろう。
ステージを立体的に使い、しかも、ジャンプが高いから、ど迫力があった。
Will Bozierの体力 恐るべし。
白鳥 黒鳥 全て踊りっぱなしなのに、後半も熱量は下がらず、ピルエットもターンもジャンプもぴたりと決めてくる。汗の量からして、かなり体力消耗していると思うが、それを見せない。ただ、酷使して怪我しないで欲しい。
Liam Mower は、床で転がるダンス、柔軟性抜群のなめらかな動き、表情豊かで軽やかなジャンプ 極限まで絞りきった綺麗な身体 音の刻み方が凄い。
女王役Nicole Kabera、気品のある踊り。
長い脚がすっと上がる。
girlfriend役のKatrina Lyndon がお茶目で可愛かった。
専属オーケストラも、チャイコの現代風アレンジを盛り上げて、ダンスを鮮やかに色付けしていた。
振り付け師のように、独特の創造性が求められる芸術は、これからの時代、より重宝されると思う。AIには、ユニークで斬新な動きを創り、繋ぎ、組み合わせる新発想は生み出せないし、この分野は淘汰されないはず。
マシューボーンの感性の結晶を、もっともっと観たい。