たろ

hisのたろのネタバレレビュー・内容・結末

his(2020年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

あまり内容を把握せずに観たら、予想以上に社会派な作品だった。
幼子に謝らせたり平手打ちしたり自己肯定感が低くなるような育て方すんなよ!!!と中盤玲奈への怒りがMAXになりつつも、夫のカミングアウトで整理しきれない中での仕事と育児の両立・実母との確執など妻側の葛藤も丁寧に描かれていた。“子供の好きな絵本も分からないような母親”に見せつつもヒステリックな毒親では終わらせず、終盤の裁判シーンでの『彼女が仕事をしてくれていたから』という言葉に涙するシーンは思わずグッときた。
LGBTQに限らずいわゆる世間が『普通』としている生き方から少しずれていると、少なからず好奇の目で晒されることは多々あります。世の中に緒方さんや麻雀のおばあちゃんのような考えの人がたくさん増えてくれるといいなと思った。人の弱さに寄り添ってくれる優しい作品だった。
たろ

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