このレビューはネタバレを含みます
終わり方がすごく心地よかった。
中盤、同性愛者でもある主人公の迅が自身の抱えてきた想いを次のように吐露するシーンがある。「自分のことを知ってほしいという想いと知られると拒絶されてしまうんじゃないかという恐怖を常に抱えて生きてきました。だから、いろんな繋がりから逃げるようにしてこの田舎に来ました。けれど、この町で触れた優しさが、やっぱり僕のことを知ってほしいという想いを強くしたんです」(←かなりうろ覚え)
そしてその言葉を携えたまま、物語は終盤へと向かう。6歳のソラとその父である渚、迅、そしてソラの母であり渚の元妻である日比野玲奈が、学校のグランドで、ソラの成長を暖かく見守っているシーン。そこで、玲奈は迅に対して「実は私、自転車乗れないのよね。2人には内緒だけど」と告げる。なにげないその言葉の背景には、迅に対する玲奈の歩み寄りや、4人の暖かい未来が見えたような気がして、じんわりとした余韻の残る映画でした。