すみ

悲しみより、もっと悲しい物語のすみのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

「わたしとの幸せを願ってほしかった」
だいっすきな映画のリメイク🎞
冒頭10分くらいでもう涙止まらんかった。
オチを知った状態で見ると2人の言葉や行動のひとつひとつで泣いてしまう。
悲しみよりもっと悲しい物語ってタイトルがそもそも最強。考えた人天才や。
Kの物語だけなら、それは「ある悲しみ」なんだよ。
それにクリームの物語が加わることで「悲しみよりもっと悲しい物語」になると個人的には思うんです。

劇中でどっちかが言ってたけどこの2人は「ふたりでひとつ」なので、
1人が泣いているときはもう1人も必ず泣いてるし
自分を犠牲にして相手を幸せにすることなんてそもそもできないんだよな〜
幸せになるのも地獄に落ちるのもどうしても2人一緒なんだよ。
終わり方以外は原作に忠実で良かったんだけど中途半端に救いを求めてしまった感があったな、、救うなら救ってくれそうじゃないなら地獄に落としてくれ、、頼むわ、、
悲劇になりきれないなら悲劇のフリをしないでくれ、、

まあそれを差し引いてもシナリオ自体が最高なので死ぬほど泣いた。
もうね〜出てくる言葉が全部綺麗で優しいんだよ〜
それでいて2人が過ごした日々の描写がとんでもなく素敵。
わたしの好きな歌の歌詞に「傍にいてって言えないくらい好きだった人がいて好きだよって言えないくらい愛してる人がいた」っていうのがあるんだけど、このお話のKとクリームは本当にそれなんだよな〜。
お互いのことが大切すぎた故に、自分から手を伸ばすことができなかったんだよなきっと。
相手が手を伸ばしてくれさえすればどんな手段を使ってもその手をとる覚悟は2人ともにあったのにね。
Kのクリームへの愛情はさ、クリームが言ってた通り
友だちであり、父親であり、母親であり、兄であり、恋人だったんだと思う。
ただ恋愛的な愛情だけじゃなかったんだよなきっと。
歯医者さんは原作同様完全に噛ませ犬だし歯医者さんのことも考えられなかったのか?って言われるといやそりゃ違うだろ〜〜歯医者さんを不幸にしてでも相手を幸せにしたかったんだろ〜って思います個人的には。そのへんは覚悟の上でやってるやろ2人とも。
一番好きなシーンは歩いていくKを後ろからクリームが追いかけるところ。
あと結婚式のシーンは泣かずにはいられない。家族としてでも、一緒にバージンロードを歩けたことがKにとって、クリームにとってどれだけの救いだったのか考えるだけでしんどい。夢が叶ったはずなのになんでこんなに悲しいんだろう、ってきっと2人とも思ってたんだろうな。
個人的には歯医者さんの家にはでっかくプリントされた結婚式の綺麗に着飾ったクリームの写真が飾られてたのに、クリームが大切にしてたのはドレスを選ぶときに撮ってもらった飾り気のない2人の小さなポラロイドだったっていう比較も好き、、どんなにちっぽけでもクリームとKにとっては宝物だったんだろうな、、
好きな台詞が多すぎてメモ取りたかったけど劇場だから出来なかった。DVDになったらもう一回観よう。
すみ

すみ