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KCIA 南山の部長たちのヒューのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
4.3
2021年劇場鑑賞作品1本目。社会派ドラマとしてこれ以上ない完成度と緊張感。韓国国内年間興収1位作品は伊達じゃない。

1979年に実際にあった朴正煕大統領殺人事件の40日前から当日までを実行犯視点でフィクションを交えながら描く秀逸なドラマ。娯楽要素は取り払って終始息つく暇ない展開、そして重厚さ。キム・ギュピョンと大統領を取り巻く人物がいっぱいで顔と名前が最後まで一致しない人もちらほら。でもここまで作品の質だけに拘った映画は政治ドラマって中々ないはず。かなり忙しいけどどの人物の描写も丁寧なお陰で釘付けになっていました。
イ・ビョンホンの驚くほど自然な演技にはアッパレ。感情をあまり表に出さないような男の内面までをも表現していたと思います。

韓国の民主化の歴史については光州事件を少し知っている程度でしたがそれでも十分楽しめました。こんなことがたった40年前に起きていたことには驚きしかない。『タクシー運転手』もいつか観ないとね…。
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