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KCIA 南山の部長たちのpeplumのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
3.9
イ・ビョンホンほど痛めつければ痛めつけるほど、追い込めば追い込むほど表情が素晴らしくなる俳優他に思いつかない。真面目で理知的な人が追い詰められたらこういう感じになるだろうなと思わされた。
こういうイ・ビョンホン前も見たなと思ったら『インサイダーズ』の監督だった!見終えてから気づいた。生かし方わかってる。
昔何かの映画のNGシーンでイ・ビョンホンが殺しをやったあと道で滑って「今の方がリアルだったかな?」ってスタッフに言うシーンを覚えているのだが、今作の最終盤、血溜まりに転ぶイ・ビョンホンにそのエピソードを見た思いです。
クァク・ドウォンの亡命しそう感もいいし、室長のムカつく感じもよかった。
耐えて耐えて、溜めて溜めてドン!のカタルシスに向かうのもヤクザ映画ぽかった。
本能寺の変の織田信長と明智光秀の関係性に近い熱がある。
トム・クルーズの『ワルキューレ』とか『日本のいちばん長い日』(岡本版、原田版)も少し思い出した。結果を知ってるクーデターの過程はなんとも言えない悲しさがある(といいつつ事件のことはこの映画で初めて知りました)。事実を基にしたフィクションだけど切実さはさすがのクオリティでした。
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