この大統領暗殺の動機には、いろいろな解釈があるという。
映画で描かれたように、命をかけて手にした、理想の政治を目指したはずの革命が、いつの間にか市民を顧みない独裁政治になっていることへの絶望からか。
それとも、自分が大統領から見限られ苦境に陥っていく中で思いついた、突発的な反抗か。
暗殺を実行した主人公はすぐに逮捕され、民主化への動きが進むかと思われたのも束の間、すぐに新たな軍事政権が誕生した。
殺された大統領のもとで、韓国は海外からの資金援助をもとに大幅な経済成長を遂げ、最貧国からの脱出を果たしたという。
そういう評価される面も多く持っているようだが、やはり長く政権についていると独裁色が強まってくるのだろう。
マフィアかと言われるほどに、拉致や殺人も厭わなかったらしい。
やはり独裁政治は恐ろしい。
韓国の歴史をもっと知っていれば理解が深まるのだろうが、知らなくても十分に楽しめる。
オーラを完全に消し去ったイ・ビョンホンの好演が光る。