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KCIA 南山の部長たちのmatchypotterのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
3.9
『王になった男』の勢いそのままにイビョンホン。

実際にあった1979年の韓国大統領射殺事件、の話。

通称KCIAという、韓国の大統領に次ぐ権力を持つ韓国の中央情報部という組織。
この組織は大統領の名の下に強大な権力で大統領を支え暗躍する組織だが、そこの実質的な責任者である“部長”が大統領を暗殺してしまう事件。

事の発端は、この組織の前任の部長がアメリカで韓国の腐敗政治とその責任は現大統領にあることを告発し、亡命する。

その騒動の火消しを当事者の大統領から命じられる。
全人を始末するしないの物騒なやり取りの中、現部長はもともと繋がりもあったその亡命した前任者と穏便に解決を図ろうとするが、、、。

もちろん大統領の身を守る組織ではあるが、他にも警護隊的な大統領の身を守る軍部の組織もあり、組織同士の駆け引きやマウントの取り合いもある。

そもそも長期政権化したこの大統領にも、色々と黒に近いグレーな部分もあって、何かに触れれば大統領と共に立場が危うくなる連中もいたり。

それに勘付いている外の連中から、事の発端の告発をキッカケにこの現大統領の長期政権を終わらせたい圧力もあり、国内でもデモが激化する。

一方で告発した元部長の身にも危険が迫ったり。

内からも外からも、色んな組織が、色んな目的で、色んな人を使って、色んな人に対して動いてくる。

もはや、自分の立場として、何を信じて、何を遂行すれば良いかわからなくなってくる。

大統領が目指す政治を実現するためにあるはずのKCIA。
一方で、権力を持ち、さらに大きな権力と情報に近い組織だからこそ色々見えてしまっている立場だからこそ。

当時は独裁政治からの脱却から抜け出すために命懸けの革命を経て新たな正義と政治を行うためにここまで来たはずなのに。

そんなやり切れなさと、それぞれが掲げる正義や保身や立場が錯綜する重厚なドラマとサスペンス。

韓国の、事実に基づく激動の時代におけるセンセーショナルな事件の顛末を描く衝撃作。

観てるうちに後半のイビョンホンの切迫したただならぬ雰囲気に飲まれていく。
そこまでのすべての駆け引きや出来事は“この彼”を作り出す布石のように思えてくる。

※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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(まだ始めたばかりでお粗末が過ぎるブログですが)
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