このレビューはネタバレを含みます
ウルトラマンと人類の関係性の描き方が微妙だった。ウルトラマンが禍威獣を倒したからといってすぐに好意的になり、かと思えば、外星人にほのめかされてすぐに疑ったり…人間側が終始短絡的。『シン・ゴジラ』では、ゴジラを天災のメタファーとして描いており人類との関係性が明白で、見やすく感情移入もしやすかった。
だからか、ウルトラマンからヒントを得て人類の叡智を集結して地球を救うラストも、『シン・ゴジラ』のヤシオリ作戦と比べたら盛り上がりに欠けた。
せめて長澤まさみとの恋愛パートはもう少し丁寧に描いてほしかった。自分の体臭を嗅ぐセクハラ男に恋心を抱くのか。
ダイジェストのようなストーリー構成が指摘されてるが、こういった内面描写が不足してるから、その側面がより強まったのではないか。
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そもそもの話だが、物語の大前提として、『シン・ゴジラ』を踏襲する形で“異生物 対 人類”の形を取ってるが、ウルトラマンにおいてそれが正解だったのか。人類視点で描くのではなく、ウルトラマンの視点で人間と対峙し葛藤や奮闘する様や、異生物と人間の恋(美女と野獣、シェイプ・オブ・ウォーターみたいな)を描いても面白かったのでは。