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シン・ウルトラマンのTMCのネタバレレビュー・内容・結末

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

子供の頃に楽しめていたものが突然つまらなく感じるようになった時、各ジャンルのカウンターカルチャーに助けられてきた人生だった。音楽ではパンクやニューウェーブ、小説ではビートニクやサイバーパンク、プロレスではUWFやパンクラス、絵画ではポップアートやバンクシー、映画ではニューシネマや石井聰亙。そういうふうに人格形成されてきたので庵野秀明は嫌いになれない。オフィシャルな二次創作のシン作品群ではその改変の程度で元ネタに対する愛憎の程度を測るのも興味深いんだけど、わけてもウルトラマンは彼にとって特別な存在のようなので楽しみにして見た。結果、期待以上に一般ユーザーを突き放した作りはとてもinterestingで満足した反面、日和ってきてる自分にはfunが足りない感じがしてそんな自分にがっかりもしたり。とりあえず、なんですぐスペシウム光線打たずに殴り合ってるの?とか科特隊の意味は?等のベタなもやもやを晴らしてくれるし、特撮物の非日常な世界に現代風味と政治警察自衛隊とかの俗で即物的な描写を入れる対位法的な面白さ、サクサク進むスピード感の気持ちよさは健在で思ってたより庵野テイストが強くて嬉しかった。キャスティング的には、今回も居たアスカ的なキャラはご愛嬌としても(マリ的な早見あかりもいたり)非人間的な俳優をずらっと揃えて役柄と合ってたし、一部邦画的な謎演出もあったけどそれさえ確信犯的に思える。
とはいえラストはもうちょっと何とかならなかったのか。あと一盛り上げが欲しかった。ED曲含め。

以上、ウルトラマンへの思い入れが薄い人間の感想。ライダーはもうちょっと厳しい👀になりそう。
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