渡辺静

1917 命をかけた伝令の渡辺静のレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
3.7
1917年フランス。
第1次世界大戦のさなか、イギリス軍兵士のスコフィールドとブレイクに「敵軍を追撃している味方部隊へ作戦中止命令を伝える」という任務が下される。
1600人の味方の命がかかった情報を手に、スコフィールド達は戦場を走る……
***

全編ワンカット“風”で物語は進む。
これまで何度かワンカットで撮ってる映画を観たことがあったが(トゥモローワールド、ロープなど)、
「ワンカットで撮っててスゲエ」という作品外のギミックに対する感情が頭にちらついてしまって、物語への没入を阻害してしまい、あまりワンカットの必要性が無いと感じてしまっていた。

本作は数少ない、ワンカットで観せる意味がある作品だと思う(あとは知ってる中ではカメ止めくらい)。
それは、主人公が目的地に向かって走っているから。物語が主人公の行く道のりだからだと思う。
視聴者が、主人公と一緒に道を走り、臨場感と共に戦場を追体験できるから。
そこで出会った残酷も、優しさも、我が事のように感じられ、
ある種POV作品のような、FPSのゲームのような、
新しい映画体験をさせてくれた作品だと思います。

ビジュアルも最高。
塹壕戦の様子が、なんかめちゃめちゃリアルに感じました(戦争経験はありませんが…)
渡辺静

渡辺静