このレビューはネタバレを含みます
サムメンデスは『アメリカン・ビューティー 』『レボリューショナリー・ロード』は好きだけど、『007』辺りから映像は美しいが全然人物が描けてなくて、今回も残念な映画でした。
ワンカット、疑似ワンカット何でもいいですけど、その手法だとドキュメンタリータッチになり、そこにドラマをぶっ込むのに表情が撮れてないからダメです。
1幕は2人を1画面に納める必要があったのでアップを抜けない。
なので途中で1人になるのは必然。(ウトヤ島は酷くて同時に納めないで会話の度にカメラ振ってたから爆笑)
用心し過ぎなのかウカツなのか、余計な事をしなければ無事だったのに、都合良く敵が襲って来たりとか障壁が映画的で。
演出もデカイ音で驚かすというホラー映画みたいなので緊張感はないです。
あと、映像が美しすぎて夜間の戦闘も幻想的だし、死体すらも芸術的で凄惨さが伝わらない。
引きがないのでスペクタクルなシーンも少なく、殆ど手持ちなので若干三半規管がやられました。
ワンカット制約のためにドラマもつまらないし、ロジャーディーキンスもったいない。
策士策に溺れるって感じです。
アカデミー作品賞がこれじゃなくて良かった。