はちみつちゃ

1917 命をかけた伝令のはちみつちゃのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.0
IMAXを薦める方が多い中、近所にないのでドルビーシネマで鑑賞。やはりIMAXが良かったのかもしれない。
平日朝一の劇場はがら空き。最後列の席はまるで一人で観ているかのようで思いきり没頭できた。地味ながら味わい深い映画だ。

大局としては言葉は良くないかも知れないが、VRで戦争ゲームに参加するような感じ。要所要所にコリンファースやマークストロング、ベネディクトカンバーバッチが登場するのはボーナスステージもしくはステージをクリアした状態なのか?などという気分になった。
アンドリュースコットは惜しくも見逃してしまったが。

小局としては、主人公は1人(あるいは2人)であり、紛れもなく存在感はあるのだが、この作品は一貫して「その他名も無いキャスト」の存在感も感じずにはいられなかった。
有刺鉄線の亡骸、トラックで隣り合うまだ幼さが残るヤンキー風の少年、戦場になった市街地で鉢合わせとなる青年、赤子と身を潜める若い女性、他にも…彼らの人生に思いを馳せるようにも作られていた。歌に耳を傾けるシーンがあるが、自然に鎮魂を祈る気持ちになるので、やはり戦争に翻弄された一人一人の人生がやがて大河になりこの作品を成したのかと思わされる。

繰り返すが、主人公の演技と脚本、演出の仕方は素晴らしい。

最後に私ごとであるが、息子(兄弟)を持つ身なので目線が母親になってしまい…それを考えると感情移入してしまい語るのがつらいので語れない。
「お母さんに手紙を…」のセリフにはしゃくり上げて泣きそうに。
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