あやこふ

1917 命をかけた伝令のあやこふのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.8
将軍の命令を届ける、という目的がそのまま“彼”の想いを引き継ぐ、という目的に変わっていくのをシームレスにみせるのはとても効果的で、戦場の彼らにより寄り添って観る事ができた。という事以上に撮影が本当に素晴らしい。
専門的な事は全くわからないけれどこれはもう、オスカーもこれ1択だったじゃん?と思ってしまったほど。
まさしく映画館で観るべき映画。

照明弾で不自然な色に染まった夜明け前の空、辛い状況なのに、舞い散る桜に思わず見惚れてしまうシーンが強く印象に残った。

愚かな殺し合いをする人間と対照的に、ただそこに変わらずにある自然もまた戦争の無意味さ、残酷さを物語る。

セリフは少ないけれど、作品全体から「戦争とはこういうものですよ」というメッセージがひしひしと伝わってきた。