あやこふ

トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そしてのあやこふのレビュー・感想・評価

5.0
自分がステレオタイプとも思わずに消費してきたコメディや映画、ドラマがどれだけ彼女/彼らを苦しめ失望させてきたのか知る事ができた。

映画やドラマでトランスが描かれる時のお決まりの設定、お決まりの展開、お決まりの反応。世の中の人がトランスジェンダーについて知りたいと思った時にそういった偏ったイメージを植え付けるようなメディアしかなかった事で誤った認識が当たり前になってしまい、そういう世の中の目を受け入れて生きていくしかなかった彼女\彼ら。

ジェン・リチャーズが「自分自身が一番自分の価値を認めていなかった」と吐露するシーンがとても辛かった。

シスジェンダーの俳優がトランスジェンダーの役を演じるのもしかり。役者がどれだけトランスジェンダーについて理解し真摯に演じているか、とは別の問題で、
身近にトランスジェンダーの知人がいない多くの人は女装した男優としてしか(逆もしかり)イメージする事ができないから、素直に女性(または男性)として認識されない。
やはりトランスジェンダーの役はトランスジェンダーの俳優が演じるべき、とこの作品をみて強く思いました。

『ナチュラルウーマン』がどれだけ革命的だったか今さらながら認識。