サム・メンデス監督
話題の全編1カット(風)撮影の作品、
アカデミー撮影賞・音響賞・視覚効果賞受賞。
一言で言うと「生々しい」。
単にグロテスク、というわけではない。
二人の青年が命をかけて、戦地を駆け抜けミッションを遂行する様を、まるで二人を追いかける第三者の目線で映し出す。その中で人間の脆さ、死の突然さ、そして戦争というそのものを生々しく感じさせてくれる。
ストーリーの展開自体はシンプルであり、且つ1カットのように映像が流れていくため、非常に記憶に残る。観た翌日でも、シーンを一つ一つ思い出すことができた。
各々のシーンで考えさせられる部分は多々あるが、特に印象に残ったのはラストシーン。
以降ネタバレになってしまうが、
最初の野原で二人が寝るシーンと、ラストに主人公が同じような野原で木に腰掛けるシーンは重なる部分がある。円環構造をなしている。
初めと最後の描く自然豊かな景色が、より作中に主人公が体験した重みを強調しているような気がする。
