今作は戦争映画ではあるが勝ち負けを描かない。
只々、味方を救うため、そして友の願いを果たすために走る。
伝令を成功させれば戦争に勝てる、などという話ではない。
攻撃中止命令を伝えることで混乱を招いたら?
その隙を突かれて敵軍に反撃されたら?
何が彼らを駆り立てるのか。
将軍の指示だから?
命令に従うことが兵士としての義務だから?
何が正しいかなど誰にもわからない中で、忠実に任務を遂行した彼らはまさしく勲章に相応しい男たちであろう。
戦争という重い題材を扱うが、深刻になり過ぎていない。
アトラクション的な面白さもある。
しかし、戦争の悲惨さを伝えることも忘れていない。
エンタメ的な面白さと実話ベースの戦争の悲惨さのバランスがとても良い作品である。
手に汗握る緊迫の命懸けの郵便配達、皆さんの目でしかと見届けて頂きたい。