ヴぇる

1917 命をかけた伝令のヴぇるのレビュー・感想・評価

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)
4.3
ハッキリ言って名作と言っていいレベルで、戦争映画史に残る作品だ。
2020のオスカーは本当にレベルが高く最高の時代だったと胸を張って言える。

だが、まず最初に言いたいことがある。それは日本の配給会社が腐りきっており、我々をバカにしている点だ。つまり広告で大々的に『全編ワンカット』と予告していた事これは詐欺であり、映画ファンをバカにし、制作陣を冒涜している。今すぐこの会社はこの業界から身を引くべきだ。

さて内容だが、現在ワンカットの映画というのは数は少しづつだが作られて来ており質も価値も上昇してきている。その中でベストという出来だと感じた。
風景は美しく、戦争描写は鮮明に映し出され、残酷で無惨な中にも心に訴えかける鋭さがあった。

正直言って脚本は最高と言うまでではなく、まずまずの出来だし、音楽や効果音は強さもなく平凡だ。主人公の感情の起伏もそこまで激しくなく少し捉えづらさも感じた。
だが、映像の臨場感、迫力、真に迫った演技、セット、撮影法、etcこれらが全てを凌駕しており、最高水準を叩き出しているが故にそう感じてしまった。
端的に言うと映像が映画史に残るレベルで秀逸過ぎたため全体のバランスが崩れた様に感じる。素晴らし過ぎた故に難しくなってしまったのだろう。

素晴らしい点を書き出せばキリが無いほどの作品で心底心を持っていかれた作品だ。
今作品を生み出し製作したサム・メンデスに心からの敬意を。
ヴぇる

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