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わたしたちの家のsonozyのレビュー・感想・評価

わたしたちの家(2018年製作の映画)
4.0
長編デビュー作『わたしたち(英: The World of Us)』で評価を得た韓国の女性監督ユン・ガウンの長編2作目。英題『The House of Us』。
家庭環境の問題で傷つきながらもがく少女たちのひと夏の物語。

毎日激しいケンカばかりで離婚の危機にある共働きの父母と中学生の兄チャンと暮らす小学5年生のハナ(キム・ナヨン)は、家事・料理を進んでやるしっかりもの。夏休み前にクラスで1人選ばれる“いいお友達賞”ももらう、心優しい女の子。

ある日、ハナが出会った歳下の姉妹ユミ(キム・シア)とユジン(チュ・イリム)は、両親がホテルの内装業のため過去に6〜7回も引っ越ししていて、夏休み中も不在にしており、その間叔父が見ているようだが、いつも二人で過ごしている。今のアパートも引っ越すらしく、大家が新たな借主を探し始めているが、話を聞いてないユミが母に何度電話してもつながらない。

ハナは両親の離婚を食い止めるべく、家族一緒で食べようと食事を作ったり、旅行に行けば元のような関係に戻ると信じ、父と母それぞれに家族で旅行へ行こうと訴えたり。

引っ越し(立ち退き)の危機にあるユミとユジンの状況も見て、「私が両親の離婚を止める。ユミの家も守る。」と、思い付くことをひとつづつ取り組んでいくハナの健気な姿。。

『わたしたち』同様、本作も3人の子役のキャスティング&演技が素晴らしい!
夜テントの中で3人並んで横になり楽しく話すのを真上から捉えたひと時の明るいシーンの可愛さ。

ユミと共にもがき苦しんだひと夏を経て、新たな覚悟を決めたようなラストのハナの一言も秀逸でした。

※『わたしたち』の主人公だった3人(ソル・ヘイン、チェ・スイン、イ・ソヨン)もゲスト出演的に登場します。
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