水蛇

情事の終わりの水蛇のレビュー・感想・評価

情事の終わり(2012年製作の映画)
3.3
エロ誤認詐欺発掘シリーズ。

意識の流れ的にランダム(風)かつシュールな構成とスピード感が、かつてこの2人にも共鳴とケアと喜びに満ちた時期があったのかな(なかったかもしれないけど)ってぐわんぐわん現在地を揺さぶる。

わたしだったらどんな理由があろうと裏切りも暴力もきっと許せないと思うけど、そんな共感ベースのジャッジは意味をなさない。共感という強力な安牌を捨て去ったからこそのこの静けさ。共感してもらうほうが楽に決まってるのに、愛すべきキャラも支持しやすい像も捨て去って独特の説得力とグルーヴで続いていく。メインテーマは時間なんじゃないのかな。「なんでもうあんまり愛してないんだろう、あんなに好きだったのにおかしいな、なんで時間って経つんだろう、なんで止まらないんだろう」って歯を磨きながらあるいは遠い街を歩きながら思ってるうちに帰る家がなくなったふりしたくなる往生際の悪い時間を過ごしたことがある人には、それこそ留学で1年住んだ場所に戻る感覚さえあるかもしれない。ホームじゃないけどおかえりって言われそうな場所だった。
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