553

マーティン・エデンの553のレビュー・感想・評価

マーティン・エデン(2019年製作の映画)
4.0
ジャック・ロンドンの自伝小説が原作。

ロマンティックなエゴイスト、
一心不乱で美しくて破滅的な感じが『華麗なるギャツビー』に似てるのかなぁとあらすじを読んで興味を持ちました。
それと主演のイタリア人俳優 ルカ・マリネッリの美しい顔面と佇まいを拝みたくて!

明るくて親しみやすい精悍な顔付きの青年が成長して認められ成り上がるうちに狂気じみていく流れは『ジョーカー』ぽかった。
いきなり狂った感はあった。細かく描かなくてもわかるよねってこと?

一つの物事に価値を見出し自分を見失うほど傾倒して人生の時間を費やしてしまうと、才能を認められたり商業的に成功したりといったゴールテープを切ることは出来るけど本当に手に入れたかったものってこれかな?俺の理解者なんて一人もいない!と今更振り返って虚しくなったり死にたくなったりしちゃう。知識からくる世の中への絶望。埋められない溝の再確認。一度歯車が狂い出すと昔のような自分に戻ることが難しくて苦しいね。

この主人公のように何かに熱中して気が狂うことは私にはなさそうだけど、小さな幸せに目を向けてバランスをとって生きていきたいなぁ。手段と目的を履き違えることってよくある。
私の人生に必要なのは、大好きな人とするしょうもなくて楽しくて後々なんの役にも立たない会話。
553

553