ALMOND

オフィサー・アンド・スパイのALMONDのレビュー・感想・評価

4.0
世界史の授業で紹介され、興味を持ち観てみた。人生初のフランス映画となった。映画を通し全体的にタバコ臭かった。
ドレフュス事件についての具体的な予備知識はほとんど無かったが、軍籍剥奪の彼の屈辱に満ちた顔、序盤からユダヤ人蔑視の目線や軍の権力をひしひしと感じた。
軍の上層部は保守ばかり、病気に冒された高官の尊厳を守り軍に盲従する非ユダヤを擁護している。
主人公ピエールも盲従する1人だが、ドレフュスをユダヤ人だからといって差別する訳では無く、むしろ正義を貫く者を守ろうとする気概を持った人物だ。配属された諜報部の不透明な状態を改革し、真実を求め奔走する。
しかし、私はこの当時の常識を知らないからかもしれないが、娼婦が市民権を得ていること、浮気を肯定的に描く姿勢にピンと来なかった。ピエールも浮気をしているのに「独身」と自身を語っている。
一方で当時のフランスを民衆の態度などが顕著だが写実的に描いており、ユダヤ人差別や新聞を焼き払う場面は現実のようだった。
一度予備知識をつけた上で見直すとまた理解が深まるかもしれない。
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