元々は「Madre」というショートフィルムが評判高くて、それを長編化したもの。
オープニングにはその短編をそのまんま使用してます。
その短編部分はホントに秀逸。
何気ない日常が突然悪夢に変わる瞬間。
「96時間」で娘が拐われる時に電話で指示するリーアム・ニーソン側の視点みたいな。
もちろんこの映画の主人公は元エージェントではない素人なので右往左往。
それがまたリアルでスリリング。
電話の向こう側を想像するとゾッとする。
そして10年後。
あのオープニングからサスペンスを期待するとガッカリします。
事件の真相を知る映画ではなく、息子を喪った母親が再生するのか?を描いた作品。
かくいう僕もサスペンスを期待して、いつになったら真相が描かれるのか…と観てたら「え?」てなった。
とはいえ、主人公を演じる女優さんの演技が良くて、サスペンスとは違う意味でハラハラさせられたり。
息子のおもかげを持つ青年が純粋で良い子。
それ以外の男が総じて何か腹立つ。
何よりおもかげ青年の兄貴がクズ。
女性に暴力振るって、「今度来たら犯すぞ」とかいう男マジ死んで欲しい。
あとは映像がキレイ。
海辺のシーンはもちろん、あの林のなか2人が歩いていくシーンが素晴らしかった。
でもせめてあの時に何が起こっていたのかくらいは説明して欲しかったわ。