FREDDY

ベイビーティースのFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビーティース(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

リタ・カルニェイ原作の同名舞台劇をシャノン・マーフィー監督が映画化した青春映画である本作は、駅構内の4番ホームで電車を待っていたところ偶然出会いとある"交換条件"をきっかけに知り合った、親に勘当され居場所を失っていた不良少年・モーゼスに惹かれるものを感じるも精神科医の父・ヘンリーと精神を患う元ピアニストの母・アナからモーゼスとの交際を反対されてしまった、重い病を抱える16歳の女子高生ミラ・フィンレーが、"病"によって居心地の悪さを覚えた学校生活と身を案じるがあまり特別扱いしてくる両親との辟易した日常から抜け出すべく、不器用ながらに優しさを振りまき自分を特別扱いせず接してくれるモーゼスとの最初で最後の刺激的な"初恋"に身を投じていく様や、ミラやミラの家族らと過ごす日々の中で更生の道を歩もうとするモーゼス、そして重い病を患うも不良少年との初恋にひた走る我が娘の身を案じるヘンリーとアナの姿を追った作品となっているのだが、やはり"青春×恋愛×病気"という使い古されたものを扱った作品とのことで視聴前はあまり期待できず暇つぶし程度になればと思っていたが、ミラとモーゼスが織り成す恋愛模様は出会いから斬新かつユニークで惹かれるものがありどのような展開を迎えるのか最後まで目が離せずにいましたし、病を患うミラのみならず彼女の身を案じる家族らの苦悩や葛藤、そして家庭環境に問題を抱えるモーゼスの更生なども紡がれるのでそれぞれの視点から物語を見つめることもできる。そして内容こそは切ないものだがポップな色彩の中に映し出される瑞々しいばかりの青春はエリザ・スカンレンやトビー・ウォレスをはじめとしたキャスト陣の演技によって様々表情を見せてくれましたし、物語を彩る音楽もまた印象的で個人的には大好きな一作。チャプタータイトルやエンドクレジットなど文字からもセンスが感じられましたね。とても良かった。
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