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異端の鳥のjyoのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.7
コロナ禍のこの世の中、この映画さえ観ることが出来れば今年の映画鑑賞は素敵なものになるだろうと思えた一本。公開を心待ちにしていた。そして、先週の土曜日、沖縄でもようやく公開。どんなにこの日を待ちわびたか・・・。

映画は、1979年の怪作『ブリキの太鼓』のように少年の視点を通して戦争の愚かさや人間を欲望を描き、モノクロのシネマスコープの美しい映像とグロテスクなまでの強烈な残酷描写が重なり、観るものを主人公と同じように世界観を体験しているかのような没入感がある。

『フェノミナ』のジェニファー・コネリーのように肥溜めに入ったりするなどの目をそむけたくなるような場面もあるものの脇を固める俳優陣がウド・キアーやハーヴェイ・カイテルといった国際色豊かな豪華キャストの演技が少年を支えているようにも感じ、彼らの演技にも見応えがある。

3時間の至極の映像体験が味わえる見事なまでの反戦映画であった。
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