東京マクラ

異端の鳥の東京マクラのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
4.3
全編モノクロであり、180分近い長編作品なのですが、主人公の少年の人生を章で区切りながら描いており、それぞれの章での出来事が少年にとってどのような影響を与えたか、それを受けて少年がどのように感じ、どういう風に成長したのかが比較的分かりやすく表現されているので映画の作りとしては優しいなと感じました。

しかし内容については一切容赦がなく、あまりにも残酷で、無慈悲で見続けるのが正直しんどかったです。暴力を行使する側とさらされる側の対立構造が映画を通して描かれ続けており、その中で怒りや嫉妬や憎しみなど人間ならば誰もが持つ感情を少年は学んで行きます。

少年が理解できなかった人間の感情を自分の目で知り体現する。これが伏線のようになっているので主人公の行動に説得力がありました。

素晴らしい作品だと思いますが、かなり後を引く作品だと思うので覚悟を持って鑑賞することをオススメします。
東京マクラ

東京マクラ