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異端の鳥のFMLのネタバレレビュー・内容・結末

異端の鳥(2019年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

これ、ギャグ映画やろ?
映画史上最低最悪最酷のロードムービー

主人公の男の子(名前知らん)があらゆる場所や人に差別、迫害、悪癖により惨い仕打ちを受けるのを延々と見せつけられる

『第二次世界大戦中、ホロコーストを逃れて
 疎開した1人の少年が、様々な差別や迫害に抗いながら
 強く生き抜いていく姿を描く』
Wikipediaより。

もうこのあらすじからしてウソつけと言いたくなるお粗末なストーリー
てか、この映画にストーリーなんかない。
オムニバス的にとにかく少年の不幸を描いていくだけ
そしてその少年が無口、無表情すぎて不幸感すらろくに伝わってこないというありさま

戦争や、実際にあった残虐な事件を題材にした映画はとことんリアルに、醜く描くべきだと思ってた
けどこれを観て考え方が変わった
そんな映画、シンプルにクソつまらない。
グロい写真や事件や事故の記事なんてネットにいくらでも転がってるし、わざわざ貴重な時間をそんな陰鬱な映画に割く必要はない
戦争だろうがコメディだろうが、やっぱり映画はエンターテイメントであり、夢の時間であるべきだと確信した。

170分にもわたって、いくつもの村でいくつもの人間との不幸を描き続ける
いわば、監督のエゴの集大成
中盤からはあまりの"そうはならんやろ"な展開に笑えてくる。
てか飽きてくる。

この映画、"相席食堂"スタイルで監督と一緒に観たい
そしてツッコミどころが来るたびにちょっと待てぇい!って言いながら一時停止してハリセンかなんかで頭しばきたい
いや、冗談抜きで、それぐらいめちゃくちゃな映画よこれ

命の大切さを学ぶためとか言いながらみんなで育てた豚を殺して食べるみたいな、すげぇ自分勝手で支離滅裂なアレに通ずるものがある

しかも、そもそも戦争とか迫害とかあんま関係ないよな。
たぶん今の時代に生きてても最悪なやつらなんやろなーってやつばっか出てくるし。
最後らへんとか『またムチ打ちかよ』『またセックスかよ』
戦争映画を観てムチ打ちに飽きるって相当じゃない?
普通『なんでこんなひどいことを...』ってならなあかんやろ

で、上記のあらゆるヘンテコ不幸シーンに辟易してるところに、ステランスカルスガルドやハーヴェイカイテル、バリーペッパーなどの大物が出てきてなんというか、すごく不自然に見えてしまう
整理が追いつかないというか、あぁ、そういやこれ映画やった、みたいになる
まぁ要するにつまらなすぎて思考停止してるところに知ってる顔が出てくるから、一気に画面に対する集中力が増して必死に点と点を繋げようとしてるんだろう

そんなだらだら長ったらしく続いた少年の旅路の果て
ついに少年の名前が明らかになる...
そしてそこで一気に引きの映像になり、壮大で耽美なBGMが流れる
この映画にまつわるもっとも不幸な出来事は、監督が少なくとも撮影の時点では"引き算の美学“という言葉を知らなかったことである。

そんな醜さの連続のはずなのに醜さが全く伝わってこないこの映画
よりによって、監督は映像にこだわってしまった
そう、この映画は、映像がとにかく美しい。

...ダメだこりゃ。🤪
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