ぱぷぽ

異端の鳥のぱぷぽのレビュー・感想・評価

異端の鳥(2019年製作の映画)
3.8
やっと観た!!
少年の首から下が埋まっている衝撃的なビジュアルで公開当日から気になっていた映画。
3時間近い長丁場もあってなかなか踏ん切りつかなかったけどやっと観た。

純真無垢な少年がもっと阿鼻叫喚地獄絵面な目に遭うと構えていたので案外普通に観れて、案外普通に面白かった。
少年が地獄絵面というより、少年が狂言回しの地獄巡りって感じの映画でした。

もちろん少年が酷い目に遭い続けるのですが、酷い目に遭う人々を身近に体験するのも多い。
身体的にも精神的にも可哀想っちゃ可哀想。

でも最初の呪術師的なおばさんを筆頭に少年を守ってくれる人もぼちぼちいるので割と観れると思う。
あの衝撃ビジュアルはまさかの良い行いでびっくりした。

少年を拾ったり、関わった人の名前を見出しにオムニバス形式になっているせいか観やすくて3時間もある感じがしなかったです。
全てを奪われた少年が最後まで持っていたものは…??って感じに終わります。素晴らしい。

また写し出される地獄の諸行とは裏腹にモノクロの映像はとっても美しいです。個人的には特に水の描写が、世の不浄とは無縁の美しさでびっくり。
更に音楽も無く、台詞も少ない映画ですが、環境音がこれまた心地よくてびっくり。
炎の燃える音、水の流れる音、風が吹き抜けて木々を揺らす音が凄く耳心地いいですが、物語後半で街に近付くと少なくなっていきます。
美しい映像も、耳心地良い音も減ってきていよいよ地獄も最下層なのでしょう。

仏教の八大地獄も「殺生、盗み、邪淫、飲酒、妄語、邪見、犯持戒人、父母・阿羅漢(聖者)殺害」らしいのでやっぱり地獄巡りですね。
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