このレビューはネタバレを含みます
公開当時から凄く観たかったのですが出不精が災いして結局CSで放送するまで見逃してしまいました…
結果とても面白かったですし、ボロボロ泣いてしまったのですが…あんな終わりじゃなくても良いんじゃないか!?と思った次第です。
何故か観る前のイメージは慎ましやかにハッピーエンドを迎える派手な展開のない映画だと思い込んで疑ってもいなかったので、凪沙のあんな姿を見せられるなんてショックでした…
まぁ捉えようによってはハッピーエンドかもしれないですが。
私はトランスジェンダーに特別理解があるわけでも、特別興味があるわけでもないのですが、扱った映画は割と好きで観てきました。
割と観てきた印象では辛いこともたくさんあるけど前向いて生きていく系が多かった印象の中で、『ミッドナイトスワン』は凪沙が完全に悲劇的な終わり方をすることに驚いてしまいました。
しかも性適合手術をきっかけとすることに凄く違和感があり、涙を誘うための道具に性適合手術を使った感が拭えず、何となくモヤモヤしてしまいました。
調べてみると同じような意見は公開当時から多かったようで「そもそも今の性適合手術でケアを怠ったくらいであんなことにはならない」、当事者の方たちからしたら「性適合手術はポジティブな物なのに、それをきっかけに不幸になるのは解せない」的な物みたいです。
でも内田英治監督はその辺りも分かったうえで、大きく後れを取っている日本のLGBTQに関して考えるきっかけになって欲しいと思い創った。的な事を読んで、この展開にしたのも納得が出来た気がします。
よくも悪くも日本的な展開なのかな…と
それにしても草彅くんの演技が素晴らしいですね！
序盤は女性らしい表情の中にもトゲのある顔をされているのですが、一果の面倒を見始めると凄く優しい表情になって本当に母のような温かさを感じて感動してしまいました。
「いただきますは？」あたりから感極まって泣きそうでした。
元々割としっかりした骨格の顔立ちなので、髪形で輪郭隠して女性らしくしてるのかなーとか思ってみていたら、髪を短くしたシーンでもしっかり女性の表情でマジですごかったです。
「あ！いつもの草彅くん…じゃない！」ってなりました笑
一果役の服部樹咲さんも新人さんとは思えないくらい序盤と後半の振れ幅あってすごかったのですが元々バレエをされていた子なのでしょうか？
バレエシーンは本当に綺麗でした。
